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「第4回 太平洋新国土軸講演会」開催

 現在和歌山県では、京奈和自動車道が既に工事に着工、紀淡連絡道路については関係機関と連携を図りつつ実現に向けて努力しており、太平洋新国土軸の一部を担うこれらの社会資本整備に全力を尽くしているところです。そのために、構想の意義を広く地域の方にアピールし、理解を深めていただくことにより新国土軸実現に向けてさらなる前進を願って、「第4回太平洋新国土軸講演会」を去る2月27日、お二人の講師を招き、約200人の参加のもと、和歌山市で開催しました。 「第4回太平洋新国土軸講演会」の様子

 まず、運輸政策研究所所長・中村英夫氏による「これからの社会資本づくり」というテーマで、国土審議会において21世紀の国土のグランドデザイン作成に携わられた経験を踏まえた貴重なお話をいただきました。道路を始めとする社会資本は私たちの生活に欠かすことの出来ないものであるとの認識の下、高齢化社会・需要の停滞・環境問題等、現在の我が国が置かれている状況の分析、その上で今後、道路を始めとする社会資本づくりに求められるもの−特徴ある魅力を持つ地域の連携、既存施設の有効利用、豊かな文化や風土の中での多自然居住地域の創造、広域国際交流圏の形成など−さまざまな課題を提示していただきました。 中村 英夫 氏
中村 英夫 氏

 続いて、朝日放送アナウンサー・道上洋三氏の「地域コミュニティとラジオ〜パーソナリティー奮戦記〜」。気さくでユーモア溢れる語り口に会場内は終始笑いが溢れました。しかし、笑いの中にも、阪神淡路大震災での取材活動での見聞に基づき、これからの国土づくりは「地域と地域の間」を結ぶだけではなく、さらに「人と人のふれあい」を育むことが必要ではないか、また、全国均一の社会資本整備ばかりを目指すのではなく、それぞれの地域の特性を活かした「身の丈にあった」整備をしていくべきと、これから私たちが進めていく国土軸整備のあり方に一つの方向を示していただきました。 道上 洋三 氏
道上 洋三 氏


太平洋新国土軸構想推進協議会 意見交換会を開催しました

 平成13年5月17日(木)赤坂プリンスホテルにおいて、平成13年度の総会終了後、構想の早期実現に向けての認識を深めるとともに、今後の課題や取組の方向性等について検討するため、協議会会員と国関係者(国土交通省)、顧問(吉川和広氏)等との意見交換会を開催しました。
 その中で、
最近の公共事業に対する世論には厳しいものがあるが、本州、四国、九州がお互いに近くて遠いものから近くて近いものになるよう、国民的なコンセンサスを得て構想実現に向けて前進することが重要である。
この新国土軸上にある地域がそれぞれの特色を活かして交流・連携を図ることが重要であり、そのためには、人、物、情報が行き交う道路網、鉄道網の整備が不可欠である。
新国土軸の形成は、経済的な交流拡大やリダンダンシーの確保だけでなく、心の安らぎや精神的な充足感を得るための交流拡大を行うために必要である。また、次世代の人々にも活用できる重要な資産であるので、このことを広く訴えて理解を得る必要がある。
公共事業の見直し、道路特定財源の一般財源化が言われているが、見直すべきところは見直して、その財源を重点的に投資することが重要である。また、費用対効果についても1つの海峡をつないでの効果ということではなく、圏域内をすべてつなぐことによりどれだけの経済効果が出るのかということを考えて行う必要がある。

 などの意見が出され、構想の早期実現に向けての共通認識を確認しました。



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