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太平洋新国土軸地域の名物を追え!

わらしべ紀行 その2 紀伊半島〜淡路島
〜名物・数珠つなぎ〜

旅の楽しみの一つは、その町の名物を楽しむこと。長い長い年月を経て、今も多くの人々に愛され続ける各地の名物には、食べ物あり、伝統工芸品あり。太平洋新国土軸地域が競う、我が町の名物自慢です。

吉野の桜の木の下でいただく清水、吉野葛
 「昔はね、山に取りに来る人もいたよ」。吉野葛の包装をしながら、ニコニコ顔で教えてくださった女性。吉野の野山に自生していた葛は、和菓子の材料としてのみならず、病人に与える薬としても使われていました。
 
 「桜の時期には、全国からたくさんの人が来てくれて、にぎやかよ。」全国に名高い吉野の桜は、地域の人たちが保存会を作って、守り続けているそうです。「老朽化してる木もあるし、毛虫も多いけど、来てくれた人にはきれいな桜を見てほしい」。きれいな桜の裏にある、地元の人たちの努力に脱帽しました。
吉野葛の写真

  吉野のおばちゃん、ありがとう。次の大阪は、何があるの?

「おおきに」笑顔でおまけ付き 大阪異文化体験ワールド
 大阪の中でも、ひときわ活気ある市場が「鶴橋商店街」。駅を降りると、香ばしい焼き肉の香りが漂います。別名、「コリアンタウン」とも呼ばれるこの界隈には、キムチや焼き肉、チマチョゴリのお店が並びます。
 
 色鮮やかなチマチョゴリが並ぶ店を通り過ぎると、大きな漬け物バケツに積まれた自家製キムチを発見しました。真っ赤な色が食欲を誘います。「何にする?白菜?キュウリ?大根?」種類も豊富で、味見もOK。大阪にいながら、旅行をしてきたかのような異文化体験。心もおなかも大満足です。
コリアンタウンの写真

  大阪は、国際的だね。次は、和歌山で神秘の体験してみない?

高野山でのごま豆腐 ほんのり四国の味がする
 「ようお参り下さいました」。四代続くごま豆腐屋の女将さんは、四国の名産“和三盆”をかけたごま豆腐でもてなしてくださいました。「高野山には四国八十八ヶ所をお参りされた方々が、満願成就にいらっしゃいます。私たちもお大師さんを通じて、四国とつながっているんです」。
 
 朝から家族総出で、4時間かけて作られるごま豆腐は、つるんと光沢ある見事な一品。「昔は、ごまは大層貴重な品でした。でも、貴重なものだからこそ、丹誠込めてごま豆腐を作って、仏様にお供えしたんだと思います」。女将さんのもてなしの心で癒され、四国へ思いを馳せながら、デザートのようなごま豆腐をいただきました。
豆腐屋の女将さんの写真

  心がすっきり。次は、海を渡って淡路島に行ってみよう!

あたたか日差しが創り出す 甘い玉ねぎ、淡路の人情
淡路島の南部、瀬戸内の温暖な気候に恵まれた三原町は、玉ねぎの生産高全国2位。町に広がる畑の間に、ポツリポツリと建つ小屋には、収穫された玉ねぎが風に吹かれて自然乾燥されていました。
 
 「植えるのは機械やけど、結わえてつるすのは手作業。結構、手間暇かかってるんよ」。農家のご主人が教えてくださいました。収穫時期の6月頃には、町内の至るところで小屋に干された玉ねぎが見られます。
 
 話をお伺いしたあと、「ちょっとやけど持って帰り」。赤い袋には、いっぱいの玉ねぎ。刻んでもいないのに、涙がこぼれそうになりました。
自然乾燥されている玉ねぎの写真

 淡路のおじさん、お会いできてうれしかったです。次回は、とうとう四国だよ。どんな人たちに出会えるかな?



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