わらしべ紀行 その2 紀伊半島〜淡路島
〜名物・数珠つなぎ〜
旅の楽しみの一つは、その町の名物を楽しむこと。長い長い年月を経て、今も多くの人々に愛され続ける各地の名物には、食べ物あり、伝統工芸品あり。太平洋新国土軸地域が競う、我が町の名物自慢です。
「昔はね、山に取りに来る人もいたよ」。吉野葛の包装をしながら、ニコニコ顔で教えてくださった女性。吉野の野山に自生していた葛は、和菓子の材料としてのみならず、病人に与える薬としても使われていました。
「桜の時期には、全国からたくさんの人が来てくれて、にぎやかよ。」全国に名高い吉野の桜は、地域の人たちが保存会を作って、守り続けているそうです。「老朽化してる木もあるし、毛虫も多いけど、来てくれた人にはきれいな桜を見てほしい」。きれいな桜の裏にある、地元の人たちの努力に脱帽しました。 |
![吉野葛の写真](image/photo01.jpg) |
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↓ 吉野のおばちゃん、ありがとう。次の大阪は、何があるの?
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「おおきに」笑顔でおまけ付き 大阪異文化体験ワールド |
大阪の中でも、ひときわ活気ある市場が「鶴橋商店街」。駅を降りると、香ばしい焼き肉の香りが漂います。別名、「コリアンタウン」とも呼ばれるこの界隈には、キムチや焼き肉、チマチョゴリのお店が並びます。
色鮮やかなチマチョゴリが並ぶ店を通り過ぎると、大きな漬け物バケツに積まれた自家製キムチを発見しました。真っ赤な色が食欲を誘います。「何にする?白菜?キュウリ?大根?」種類も豊富で、味見もOK。大阪にいながら、旅行をしてきたかのような異文化体験。心もおなかも大満足です。 |
![コリアンタウンの写真](image/photo02.jpg) |
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↓ 大阪は、国際的だね。次は、和歌山で神秘の体験してみない?
「ようお参り下さいました」。四代続くごま豆腐屋の女将さんは、四国の名産“和三盆”をかけたごま豆腐でもてなしてくださいました。「高野山には四国八十八ヶ所をお参りされた方々が、満願成就にいらっしゃいます。私たちもお大師さんを通じて、四国とつながっているんです」。
朝から家族総出で、4時間かけて作られるごま豆腐は、つるんと光沢ある見事な一品。「昔は、ごまは大層貴重な品でした。でも、貴重なものだからこそ、丹誠込めてごま豆腐を作って、仏様にお供えしたんだと思います」。女将さんのもてなしの心で癒され、四国へ思いを馳せながら、デザートのようなごま豆腐をいただきました。 |
![豆腐屋の女将さんの写真](image/photo03.jpg) |
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↓ 心がすっきり。次は、海を渡って淡路島に行ってみよう!
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あたたか日差しが創り出す 甘い玉ねぎ、淡路の人情 |
淡路島の南部、瀬戸内の温暖な気候に恵まれた三原町は、玉ねぎの生産高全国2位。町に広がる畑の間に、ポツリポツリと建つ小屋には、収穫された玉ねぎが風に吹かれて自然乾燥されていました。
「植えるのは機械やけど、結わえてつるすのは手作業。結構、手間暇かかってるんよ」。農家のご主人が教えてくださいました。収穫時期の6月頃には、町内の至るところで小屋に干された玉ねぎが見られます。
話をお伺いしたあと、「ちょっとやけど持って帰り」。赤い袋には、いっぱいの玉ねぎ。刻んでもいないのに、涙がこぼれそうになりました。 |
![自然乾燥されている玉ねぎの写真](image/photo04.jpg) |
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淡路のおじさん、お会いできてうれしかったです。次回は、とうとう四国だよ。どんな人たちに出会えるかな?
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