ROKECHI TANBOU

誘致するより先に、映画、作っちゃいました
映画「船を降りたら彼女の島」

・・・えひめ映画製作委員会・愛媛県・・・
船を降りたら彼女の島の制作風景

 近年、まちづくりや観光振興のため、映画やテレビドラマを誘致しようと、各地でフィルムコミッション(FC)が設立されています。愛媛県がFCを設立したのは平成14年度。が、なんとその前年に映画「船を降りたら彼女の島」を製作してしまったのです。

●映画をつくっちゃえ!●
 自治体主導で映画を製作するのは、全国でも珍しい取組み。それにチャレンジしたのが愛媛県です。平成13年に地元企業の協力を得て「えひめ映画製作委員会」を設立し、愛媛の文化や美しい自然などを舞台にした映画で地域の魅力を全国に紹介しよう、もっと多くの人に愛媛に来て感じてもらおうと、映画づくりを始めたのです。
 もともと愛媛県は、正岡子規や高浜虚子など有名な俳人を輩出した文化の県。戦前には「映画の都」と言われるほど小型映画の製作が盛んに行われていたそうです。伊藤大輔や伊丹万作、森一生など日本映画界初期の巨匠を輩出するなど、映画づくりの素地は十分な土地柄だったのですね。

大三島町ふるさと憩の家の写真 舞台となった大三島町ふるさと憩の家


●いざ、映画の舞台へ●
 平成14年1月から約40日間に及んだロケは、スタッフと俳優さん、地域の人たちの暖かい交流によって進められていきました。  
 中島町、松山市、新居浜市、内子町、保内町など県内各地に点在するロケ地の中で、向かったのは大三島町。「特急」という名に裏切られたかと思うほど、のんびり海沿いを進むバス、潮の香り、乗り合わせたおばあちゃんたちの方言に徐々に心が溶かされて、すっかり「愛媛モード」に。しまなみ海道を通って着いた先は、青い海にみかんの木の緑が映える大三島でした。映画の中で取り上げられている鶴姫伝説は、ここ大三島の大山祇神社にまつわるものです。駐車場には関西ナンバーの大型バスが何台も止まっていました。

大山祇神社の写真 鶴姫伝説が残る大山祇神社


●トップシークレット●
 製作の主体であるとともに、影でロケを支え続けたのが愛媛県県民交流課をはじめ、市町村の皆さんです。最初の段階から、この映画づくりに関わってこられた愛媛県庁の森川保男さん。製作裏話をお話し頂きました。
 お父さん役の大杉漣さんが本当はおちゃめな人であること、娘役の木村佳乃さんは周りにオーラが出るほど「きれいっ!」な人だったこと、内子の撮影で演出に不可欠なしゃ幕がなくて、日曜日に松山から車を飛ばして運んだこと・・・。
 森川さんの表情からは、一つ一つみんなで映画を作った一体感が楽しい思い出としてにじみ出ていました。一番記憶に残っていることは何ですか、とお尋ねすると、「う〜ん、それはトップシークレットですね」。その意味を知りたい方は、ぜひ愛媛県へ!?
 みんなの思いが詰まったこの映画、今年11月から県内上映が始まり、来年は全国展開が繰り広げられます。映画館で愛媛の「愛(あい)」をどうぞ感じてみて下さい。

愛媛県庁の森川さんの写真 愛媛県庁の森川さん


【あらすじ】
 東京の出版社に勤めるOL(木村佳乃)が2年ぶりに瀬戸内海に浮かぶ「瀬ノ島」に帰郷。そこでは民宿を経営している両親にある「思い」を伝えられないまま、思い出の人や懐かしい風景を探し始める。故郷とは、家族とは。昔の思い出を心の中に納めながら、今を生きる彼女の姿を描く。
出演:木村佳乃、大杉漣、大谷直子、照英、村上淳、烏丸せつこ他



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