わらしべ紀行
その5 あったか 南九州〜熊本県・宮崎県・鹿児島県〜
〜名物・数珠つなぎ〜
太平洋新国土軸地域の名物をかるたで綴ってみました。
「ほら、これもこの前産まれたばかりの牛よ」熊本県阿蘇山のふもとでさわやかな空気の中をドライブしていると、いくつもの牛舎が見えてきます。「夏は山にやってるのよ。」おいしい空気とおいしい水、毎日の世話と愛情たっぷりに育てられた牛たちは、ビロードのようにきれいな茶色の毛並みをしています。
山に放牧していて大丈夫?との問いに、「大丈夫、大丈夫。ここらはみんな“放任主義”」とのお答え。おおらかな大地でおおらかな人々に育ててもらう牛は幸せ者です。
「牛はすぐ大きくなるよ。また大きくなった頃、見においでなさい」。そう言ってくれたお母さんと牛にまた会いたくなる熊本県での出会いでした。
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旅の胃袋 特別仕様 おいしいものは食べて帰って |
神楽で有名な宮崎県高千穂町。神秘的な美しさで魅力の高千穂峡では、手こぎボートを楽しむ家族連れやツアー客でにぎわっていました。そんな人たちの手にあるのがほっかほかのおだんご。「旅行の時は別腹よ。ダイエット?明日からすればいいのよ〜。」明るい声に誘われて、ついつい1本いただきました。
「神楽の時はね、夜中まで延々舞い続けるでしょう。集落の人たちは大変」。夜に始まる神楽は、集落の人総出で行います。時には朝5時頃まで続くのだとか。転げ回るような激しい舞もあるそうです。都会ではなくなりかけた集落の絆が、伝統芸能を通じて受けつがれています。 |
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「また来たよ」笑顔に会える
その時が、一番嬉しいひとときです |
西鹿児島駅前に掲げられた、「かるかん」の看板。漢字では「軽羹」と書き、“軽い羊羹(ようかん)のような”お菓子のことだとか。薩摩の山芋と米粉(かるかん粉)を混ぜてつくるこのおまんじゅうは、子供から年配の方までに人気の定番商品です。
「おいしいですよ。ぜひお土産にどうぞ」観光客には標準語で説明してくれたお姉さんが、地元のおばあちゃんとは鹿児島弁でなごやかにコミュニケーション。
若い世代の人も、自信を持って勧めることができる郷土のお土産。そういうものがある地域は幸せですね。 |
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