6.太平洋新国土軸創造の効果
1. 地域における効果=重層的な交流圏の形成と地域の活性化


 交流圏の拡大(時間距離の短縮)
 太平洋新国土軸創造の効果として、第一に、交通軸の整備に伴う地域間の時間距離の短縮,交流圏の拡大を挙げることができます。特に海峡横断部における効果は大きく、例えば、豊予海峡ルート等の整備により、松山市、大分市の交流人口(3時間圏の人口)はそれぞれ1.74倍、1.90倍にも増加することになります。

 都市及び自然へのアクセス性の向上
 一般的な意味で交流圏が拡大するだけでなく、都市的集積の魅力を有する大都市圏と自然環境に恵まれた地方圏とのアクセス性が向上することに、太平洋新国土軸創造の大きな意義があります。例えば、紀淡海峡ルート等の整備に伴い、四国及び大阪湾ベイエリアの各都市からの3時間圏内に存する森林、海岸線が大幅に増加することがわかります。

 地域活性化施策の推進
 上記のような効果を生かして、太平洋新国土軸の各地域において活性化を目指した多様なプロジェクトが推進され、自然環境との共生、地域内外との交流、地域に根ざした生活文化などを重視する21世紀型の価値観に基づくゆとりあるライフスタイル、ワークスタイルが展開されることが期待されます。


表 豊予海峡ルート等の整備効果

  松山市 大分市
  現状 将来 伸び 現状 将来 伸び
1) 交流人口 781万人 1,359万人 1.74 982万人 1,866万人 1.90
2) 教育機関 10校 11校 1.10 12校 13校 1.08
3) 医療機会 339百床 596百床 1.76 365百床 733百床 2.01
4) 工業活動 24 52 2.16 26 55 2.09
5) 商業活動 2.51 4.30 1.71 2.49 4.63 1.86
  • 各指標の出典、算出方法は次のとおり。
    1)3時間圏の人口(平成2年国勢調査)
    2)1時間圏の大学、短大、高専数(平成3年全国学校総覧)
    3)3時間圏の総合・緊急病院の病床数(平成4年病院要覧)
    4)製造品出荷額(平成2年工業統計)を指標したポテンシャル分析
    5)小売業売り場面積(平成3年商業統計)を指標したハフ・モデル購買吸引率
    出典:豊予海峡ルート推進協議会「西瀬戸レインボープラン」所載の表を一部修正



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