6.太平洋新国土軸創造の効果
2. 全国的・世界的意義


 西日本における経済的活力の向上、東京一極集中型の国土構成の是正
 太平洋新国土軸の創造によって、太平洋新国土軸と西日本国土軸、日本海国土軸がそれぞれの役割を担いながら連携・交流する「西日本広域経済文化圏」が形成され、西日本の経済的活力の向上、さらには東京一極集中型の国土構造の是正に寄与することができると考えられます。

 国土全体の安定的な管理やリダンダンシーの確保
 西日本国土軸には関ヶ原、阪神、関門などの幹線交通体系上のリスクポイントが存在しています。太平洋新国土軸の創造、特に交通軸の整備は、西日本国土軸における交通等の負荷の軽減、非常時における代替ルートの確保など、国土全体の安定的な管理やリダンダンシーの確保に寄与するものと考えられます。

図 各都市の3時間交流圏内の森林、海岸線の賦存量海岸線の賦存量
*3時間交流圏設定の前提条件は次のとおり。

(ア)

第四次全国総合開発計画による高規格幹線道路網及び紀淡海峡ルートが全て供用されていること
(イ) 高速道路の走行速度を80km/h、一般道路の走行速度を40km/hと仮定
出典:
紀淡海峡交流会議「紀淡海峡交流圏将来ビジョン策定基礎調査報告書」


 21世紀の世界経済、世界文明、地球環境への寄与
 太平洋新国土軸の創造によって、自然環境と高度技術文明の共生に基づく新しい生活文化が展開し、国内外の各地との交流・連携が深化していくことによって、21世紀における世界経済の発展、世界文明の構築、地球環境の創造に寄与することができると考えられます。

表 幹線旅客交通を対象とした各地区の被害の影響
  (阪神震災ケース=1.0としたときの指数

地点名

阪神 京浜 駿河 関ヶ原 関門
総迂回費用 1.0 2.1 1.5 1.7 2.0
一人当迂回費用 1.0 1.7 1.6 1.5 5.0
※わが国には局所的な交通の途絶の影響が全国に波及する幹線交通体系上のリスクポイントが数多く存在する。
 上記のリスクポイントが寸断された場合、迂回に要する一般化費用の増加分は、阪神被災ケース(阪神・淡路大震災時)の1.5〜2.1倍に及ぶと推計されている。
出典:国土庁「交通システムの信頼性向上に関する調査」


図 国土交通軸の整備による地域間流動量の変化(1994年〜2010年)
道路の貨物輸送

  • 1994年の実績値は、運輸省運輸政策局情報管理部編「貨物地域流動調査・旅客地域流動調査」による。
  • 2010年の予測値は、高速道路については高規格幹線道路(14,000km)と地域高規格道路及び東海南海連絡道が、高速鉄道については整備新幹線が供用されることを前提としている(なお、高速鉄道の速度は全て270km/hと想定している)。



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