9月12日(土)

 後ろ髪を引かれながら長崎を出発です。びわゼリーとべっこう屋の看板が並ぶ道を進み、諫早へと向かいました。ゆうゆう干拓の里で有明海の珍味を試してみよう!と勇んで出かけ、施設内のレストランにたどりついたら、あるわ、あるわ、見たこともないような名前がメニューに並んでいます。お店の方にいろいろとお聞きして、ムツゴロウの蒲焼きとわらすぼの唐揚げ、貝汁を頼みました。わらすぼというのは、細いアナゴのような魚ですが、目が退化して見えないそうです。その分、歯が凄くてかみつかれたらとても痛そうでした。お味の方は、是非とも現地でお確かめください。
 干拓の里で資料館と水族館を見学し、愛嬌あるムツゴロウを見ました。照りつける太陽の中白木峰へと上がり、干拓を眺望しましたが、あまりにも広大で干拓の範囲が定かではありませんでした。国道57号から島原半島へと入る頃には、徐々に陽が傾きはじめていました。口之津港から天草の鬼池までは、フェリーでわずか30分です。どんどん小さくなっていく島原半島がまだ見えているうちに、天草に着きました。海岸沿いにはタコが風になびいていました。国道266号を南下して、天草の中心地本渡市に着きました。
風景
有明海の珍味
(ゆうゆう干拓の里:諫早市)
 
風景
たこの日干し(五和町)


 
 9月13日(日)

 本渡から天草の南端のまち牛深市に向かいました。車窓からは天草キリシタンゆかりの史跡などの看板が目立ちました。牛深に着き、丘の上の公園から辺りを見渡します。島々が幾重にも重なって見えます。
天草鹿児島国道フェリーは牛深〜長島間を30分で通っています。大きな立派なフェリーです。乗り場で買った野菜天ぷらを食べながら、快適なフェリーの旅を味わいました。 長島からは西方に広がる海を眺めながらドライブを楽しみました。海がキラキラ光って見えます。阿久根の道の駅で、キビナゴの網焼きとつまみあげを堪能しました。あとはひたすら国道3号を南下です。今回の旅の終着駅、西鹿児島駅に着いたのは午後5時でした。
 こんな長距離を車で旅する人は少ないかもしれません。しかし、車だからこそ見えてきたものもあります。海を挟んでいても大分と愛媛では漁の仕方が似ていたり、徳島と淡路島では同じような浄瑠璃が伝承されていたり、伊勢湾を挟んで渥美半島にも伊勢街道という街道があったり。太平洋新国土軸の各地域には、文化や経済を通じて昔から目に見えない橋がかかっていたのだと思います。豊かな自然に恵まれたこの地域が橋を通じて一体となった時に、またゆっくりと巡ってみたいです。
風景
キビナゴとつまみあげ
(道の駅:阿久根市)
 
風景
西鹿児島駅



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