IN THE 21C.

■ ■ ■ ■ 本海峡横断プロジェクトの効果って? ■ ■ ■ ■

本州と四国を結ぶ3つのルート。海峡を横断する橋は、地域社会にどんな効果をもたらしているのでしょう?今回は地域の医療と道づくりを考えます。

〜第3回 命の架け橋〜
 道路整備が日常生活にもたらす影響の一つに、医療施設へのアクセスがあります。愛媛県越智郡の島しょ部10町村で構成する越智郡島部消防では、しまなみ海道の開通により救急患者の搬送時間が大幅に削減されました。高齢化が進むこの地域では、最近「急病」による救急出動が増加し、中でも高齢者の搬送が多くなっています。医療機関を今治市などに頼っているこの地域では、しまなみ海道の整備によって天候に左右されず、迅速かつ確実に搬送できる安心感が大きいと言います。
消防庁によると、平成11年に出動した救急車が現場到着に要する時間は6.1分、病院搬送時間は27.1分(いずれも全国平均)となっています。救急医療では、1分1秒の移動時間の短縮が命を救う大きな要素となっています。
また、住民にとっては、高度医療の受診機会が増えることも効果となっています。兵庫県神戸市にある「兵庫県立こども病院」では、明石大橋を利用した淡路島からの通院患者数が増加しています。
私たちの命を救い、守るために必要な医療体制は、道路整備によって改善されているのです。

愛媛県島嶼部から今治市への救急搬送動向のグラフ



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