MICHI

の風景(四国・歴史文化道モデル地域:幡多歴史文化道)
〜祈りの道・命の道〜

ヘンロ小屋の写真

手づくりの「ヘンロ小屋」・・・ 高知県大月町にある「ヘンロ小屋」。住民グループによってつくられた無料休憩所です。中にはお茶が用意され、ホッと一息つく歩き遍路の姿も。

 四国の地形を型どるように巡る四国霊場八十八ヶ所の遍路道。四国・歴史文化道は遍路道と重なったり、見どころに立ち寄ったりしながら、四国の観光名所をつなぐ道です。
 観光バスが行き交う高知県の足摺岬。岬の先端にある第38番札所・金剛福寺に向かうお遍路さんが乗ったバスです。この辺りは、四国歴史文化道の11あるモデル地域の一つ、幡多歴史文化道として紹介されています。

洪水で水没した道 洪水で水没した道も(写真:高知県)

 この信仰の道は、地域の人々にとっては命の道でもあります。台風など、自然の驚異にさらされることがしばしばある足摺岬。平成13年9月にも大雨による水害が発生しました。主要道路も水没したり、崖崩れに遭う中で、情報収集・提供の重要な役目を持った行政の方々も身動きがとれない状況に陥りました。「車から降りて、腰まで浸かって役場に向いました」。役場では、各集落に少なくとも1本は他地域へ逃げ出せる道があることを確認したといいます。

普段は、のどかな道 普段は、のどかな道(土佐清水市・益野川付近)

 大学関係者や地域住民グループの手でつくられた「ヘンロ小屋」でなごみながら地域の人と談笑するお遍路さんの姿が心をあったかくさせる足摺岬の道。普段の姿からは想像もできませんが、災害時には人の命を救う大切なライフラインとしての役目を果たしています。

道沿いにはこんな風景も 道沿いにはこんな風景も(大月町)


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