道の風景

【佐賀県鎮西町】
〜アジアに続く道〜

日本語とハングル標記の道路標識の写真

日本語とハングル標記の道路標識
佐賀県鎮西町にある道路標識。玄界灘を挟んだお隣さん・韓国とは古くからのおつきあいがあり、訪れる人も多いといいます。

 佐賀県鎮西町は、玄界灘に面した自然の美しい町。その立地から、かつては朝鮮交易の中継地として栄えた島もあり、アジアとのつながりが深い地域です。町内にある名護屋城跡は、豊臣秀吉が文禄・慶長の役に際して、出兵拠点として築いた城です。築城のために、全国から多くの大名が集められ、わずかな期間で仕上げた城は、当時、大阪城に次ぐ規模だったと言います。
 この城跡の横に、「名護屋城博物館」と「道の駅・桃山天下市」があります。名護屋城博物館は、歴史の事実を伝えるため、館内の説明文を日本と韓国の専門家が一緒に考えたという画期的な資料館です。

名護屋城跡 大手門 名護屋城跡 大手門

 この道の駅の近くに、日本語とハングルで記された道路標識がありました。道の駅で尋ねてみると、「韓国からのお客さん、最近多いよ。観光バスで来たり、5〜6人のグループで来たりね」。鎮西町では、小学生同士の日韓交流ホームステイを実施していると言います。お互いに行き来が多いため、わかりやすく安全に、という配慮なのかもしれません。

 海を挟んだお隣の国と、昔から続いてきた交流をもっと深めていきたい。そんな地域の人たちの願いがつまった優しい道です。

道の駅「桃山天下市」の写真 道の駅「桃山天下市」



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