ロケ地探訪

世界の中心で、愛をさけぶ
映画 「世界の中心で、愛をさけぶ」
香川県庵治町
愛媛県松山市

長崎ぶらぶら節
2004年の大ヒット映画「セカチュー」。
そのロケ地が、連日雑誌や新聞・TVに取り上げられ、すごいことになっていると聞いて、出かけてみました。


■原作は、3年熟成
2004年5月に封切られた1本の映画が、四国に大きな波を起こした…。映画のタイトルは「世界の中心で、愛をさけぶ」。観客数620万人近く(平成16年9月現在)を集めた、大ヒット作です。原作が発表されたのは2001年9月。愛媛県出身の作家・片山恭一氏が描いたせつない純愛小説は、3年かけてジワジワと人気を高めていきます。本屋さん手書きの書評や、女優・柴咲コウさんが雑誌で紹介したことなどを契機に、「セカチュー」と呼ばれるほどのブームを巻き起こしたのです。

町内には「ロケ地ガイド」の看板 町内には「ロケ地ガイド」の看板
(香川県庵治町)

■町じゅうで「ようこそ」
映画化された「セカチュー」のロケ地は、香川県と愛媛県。2人の主人公がいきいきと高校時代を過ごした場面は、香川県庵治町で撮影されました。ここは、良質の花崗岩の産地として有名な石の町。道沿いに石材会社が並び、大きなタヌキや仏像が出迎えてくれます。県道から入ると、まず目に付くのが案内板。町内のロケ地が一目でわかるマップとなっています。

■上は議員さん、下は若い人
ロケ地写真展が行われているというので、訪ねてみました。入口には笑顔の女性。町の老人会や婦人会の方々が常駐し、案内をしているそうです。「この夏休みは、そらすごかったわ。北海道や沖縄や全国から学生さんとか、若い人がようけおいでになって」と受付簿を繰りながら、目を細めて話して下さいました。

庵治町 町民ギャラリー 玄関にぷらーんとロケ地マップ
この日は美女2人がお出迎え
(庵治町 町民ギャラリー)
玄関にぷらーんとロケ地マップ

「ここは2階が議会でね、下の階は写真展やってるから若い人大勢、上の階は背広来た議員さん大勢、わはは」。確かに、お話の間も次々と若い人たちが訪れます。地元の方とロケのこぼれ話に盛り上がる様子は、まさに「映画が取り持つご縁」。
 町内でロケ地巡りを始めてみると、各所に案内板があって分かりやすくなっています。驚いたのはロケ地マップの置き場。町内のお店だけではなく、個人宅の玄関にもぶら下げてあるのには脱帽。町ぐるみで「ようこそ」と迎えてくれている様子が伝わってきました。

主人公「アキ」と「サク」が歩いた「王の下沖防波堤」、ブランコで話した「皇子神社」の臨時駐車場には、県外ナンバーの車が多く見られます。「前は釣客の聖地やったけど、今はカップルの聖地」。堤防で釣りをしていたおじさんが、笑顔で話してくれました。

皇子神社
映画のシーンを再現してみる人ひっきりなし(皇子神社)

■職場が名シーンの舞台に
一方、こちらは作者の出身地・愛媛県。主人公の女子高生「アキ」の病気が進行し、最期の時までを過ごした病院、実は愛媛県庁本館だったのです!「アキ」を見舞うため「サク」が歩いた廊下、光を受けた重厚な階段は確かに県庁。「見学の人が多くなったら困るんで、朝早くに撮影したりね。私?いやいや、出てません」と教えてくれた男性職員の方。撮影時の話を、にこやかに語って下さいました。
21世紀の純愛作品を創り出した愛媛の風土、映像化で心に染みるシーンを演出した香川の風景。「ここに来ると、幸せになるって聞いたから」。庵治町で会った女の子の言葉はやっぱり本当だ、そう思わせる何かがありました。四国の自然の美しさとピュアなもてなしの心が、映画を通じて訪れた人に伝わる、そんな優しい旅となりました。

愛媛県庁
ここでも感動のシーンが誕生(愛媛県庁)


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