道の風景

【大分県別府市〜熊本県阿蘇市】
〜景色を楽しみ、走ることを楽しむ道から人と人との関わりの道へ〜

やまなみハイウェイ

やまなみハイウェイ
大分県別府市と熊本県阿蘇市を結ぶ高原ルートの愛称で、正式名称は主要地方道別府一の宮線(県道11号)。由布岳、飯田高原、くじゅう連山、瀬の本高原、阿蘇山の大パノラマなど、日本離れした雄大な風景が続く人気のドライブコース。


 最近、シーニックバイウェイという言葉を耳にされたことはありませんか?これは、アメリカで始まった観光施策の1つで、行政・住民・利用者・NPO・企業などが一体となって道の景観や自然、歴史文化を守り、楽しむ道、立ち寄りの道づくりを進めていこうとするものです。国内では北海道をはじめ、各地で着々と試みが始まっています。



 景観を楽しむといえば、熊本県と大分県を結ぶやまなみハイウェイなどが全国に先駆けて「走る楽しみ」を提供する道として知られています。熊本から阿蘇・くじゅうの山々を抜け、湯布院に向かう道には信号がほとんどなく、沿道には雄大な大自然が広がるドライブコース。温泉や高原など、体験スポットが多いことに加えて、活発な活動を続けるくじゅう連山、秋にはすすきの穂が黄金色に輝く長者原など、走りながら景観を楽しむ道としても知られています。いわば、現在のシーニックバイウェイの概念が生まれる前から、楽しみを提供してきた先進的な道です。



 2004年9月に開催された「観光振興と道路」のシンポジウム参加者へのアンケート調査では、九州でシーニックバイウェイの候補としてふさわしい道の第1位としてやまなみハイウェイがあげられました。課題は、走る楽しみを提供する道で、自然、景観、人との関わりをどのように結びつけていくか。景観に頼るだけではなく、地域の方々と一緒に、これからの道のあり方について検討し、新たな取り組みをはじめようとしているやまなみハイウェイ。今後の取り組みが楽しみな道です。

信号がほとんどないまっすぐなやまなみハイウェイ 信号がほとんどないまっすぐなやまなみハイウェイ

九州のシーニックバイウェイ候補ルートとして人気が高い
(資料:道守九州会議)


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