ロケ地探訪

ウェディング
韓国ドラマ「ウェディング」
宮崎県宮崎市ほか



韓国ドラマ「ウェディング」は結婚をテーマに、時には傷つけあい、価値観の違いを乗り越え、人生のパートナーに必要な絆を見つめ直すカップルの純愛ストーリーです。


■韓国ドラマブーム
 宮崎空港に降り立つと、冬場にもかかわらずブーゲンビリアが色づき、南国風情たっぷり。ここは、かつて新婚旅行の人気No1、日南海岸のある宮崎県です。ここで再び「結婚」をテーマにしたドラマが撮影された、しかもその作品は「冬のソナタ」から大きなブームを引き起こしている韓国製と聞き、早速訪れました。
 
■県のソウル事務所が大活躍
 宮崎県観光・リゾート課で詳しいお話をお伺いしました。「宮崎は、『西部警察』や『海猿』など、これまでもいろんな作品のロケ地となってきたんですよ」と笑顔で迎えて下さった奥主幹。昔から韓国との交流が盛んな宮崎で今回のロケが行われることになった理由は、「飛行機の定期便が就航し、県が事務所をソウルに置いたことが大きなきっかけ」といいます。ソウル事務所の積極的な働きかけが実り、作品の中でも新婚旅行先として宮崎県が選ばれることとなりました。
 映画やドラマのロケ支援で、最も大変なことは?とお尋ねすると、「スケジュールなどの調整でしょうか」とのお答え。韓国などアジアのドラマづくりでは、その場その場で展開が変更されることも多く、受け入れ側としても臨機応変さが求められると言います。「プロットが柔軟というか、監督さんの一言でどんどん変わっていくのが日本と異なるようですね」。グイグイ引き込まれるドラマの展開も、陰にはご苦労があると知り、頭が下がりました。
宮崎県観光・リゾート課 奥主幹 宮崎の良さを知ってもらえれば・・・ と語る奥主幹

■県庁前でも撮影が
 作品の中で、主人公の女性・セナが自転車で市内を回り、ホッと一休みするベンチが県庁前にあります。楠の葉から木漏れ日があふれる並木道に並ぶ木製のベンチです。いくつもあるベンチのうち、どれがそうなのか迷って通りがかりの方に尋ねてみると「ああ、そこそこ」。地元の誰もがご存じの新たな名所となっているようです。
県庁前の並木 撮影が行われた県庁前の並木道

■ドラマをきっかけに歴史も堪能
 宮崎県の観光名所、鬼の洗濯岩や青島でも撮影されたと聞き、車で向かいました。青島の駐車場横にある「青島観光ボランティアガイド」のブースでは、ガイドの女性がやさしい笑顔で迎えてくれました。「撮影は夏場だったんだけど、多くのファンの方がみえてましたよ。中高年の女性が多かったけど、全国からいらしてたわね」。撮影時の裏話に花が咲き、次いで青島の歴史や文化のお話に。「映画やドラマをきっかけにいらっしゃった方にぜひ青島の歴史も知って帰ってほしいですね」。ここでは伝説や自然、歴史などさまざまな視点から青島について教えて頂くことができます。
鬼の洗濯岩 宮崎の観光名所「鬼の洗濯岩」

■温暖な気候・温かい人々
 撮影後、主人公役のリュ・シウォンさんは、2005年に宮崎を襲った台風被害について“宮崎の温かい人々が早く元気に…”とコメントを寄せたそうです。作品を通じて文化がつながり、人がつながる。青島のガイドの方の言葉が心に残りました。「きっかけは何でもこのまちを好きになってもらうことが一番うれしいです。そのためには私たちがまちを好きになること。日々研鑽です」。



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