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近畿と四国の交流
多井畑フットボールクラブ(神戸市)と長尾ジュニアサッカークラブ(さぬき市)
 近畿と四国は、古くから海を越えて人やもの、情報の交流を進めてきました。時を経ても「海の道」はずっと続いていて、近畿と四国は今も深くつながっています。
 近畿と四国の間では、産業、観光、防災、国土管理、環境保全など様々な分野で交流・連携が行われていますが、ここでは一例としてサッカーを通じて兵庫と香川の海を越えた交流事例を紹介します。

●親子2代のサッカー交流
 香川県さぬき市にある少年サッカーチーム「長尾ジュニアサッカークラブ」。このチームが長年サッカー交流を行っているのが兵庫県神戸市の「多井畑フットボールクラブ」です。サッカー協会の理事を通じて知り合ったこの2チームの交流は約30年間にもわたります。小学校時代にチームに入っていたメンバーは親となり、親子2代にわたってメンバーという人も多く、家族ぐるみで絆を育む交流が続けられています。
 長尾と多井畑のサッカーチームの交流は、それぞれの地域の良さを活かし、参加する人みんなが楽しむことができる交流となっています。参加者の手作りで無理をしない。それが長尾・多井畑流の海を渡る交流です。
交流のルート 交流のルート

●第二のふるさとに
 子どもたちは、訪れた先ではそれぞれのチームメンバーの家族とホームステイをして過ごします。さぬき市から神戸を訪れた子どもの中には、「はじめてマンションに泊まったよ!」という感想も。メンバーの親子手づくりのミニ運動会やバーベキューなどで歓待すると、神戸からの子どもたちを受け入れる長尾クラブも親が中心となって、子どもたちのためにカブトムシを捕りに行ったり、さぬきうどんや地元に伝わる竹細工の教室を準備したり。お互いに無理なく、おもてなしの心で交流することで、長尾・多井畑はメンバーそれぞれの第二のふるさととなっています。

親善試合の様子 親善試合の様子
●道と橋の整備で近くなった!
 交流が始まった頃、移動には船を利用していました。高松港からフェリーに乗って神戸港へ向かう海の旅は、約4時間。大好きなサッカーの交流試合のためとはいえ、子どもたちには長い道のりです。この時間を使って、子どもたちは劇や歌など、懇親会の出し物の練習をして過ごしていたといいます。現在は、高松道・明石海峡大橋を通じてさぬき市と多井畑はとても近くなり、所要時間は約2時間です。朝6時に長尾を出発し、8時には多井畑着。9時には親善試合を開催するといったスケジュールが可能となりました。以前は2泊3日で行われていた遠征ツアーも、現在では1泊2日となっています。

交流会の様子 交流会の様子



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