6.太平洋新国土軸創造の効果
3. 国土交通軸の整備による経済効果


 本協議会では、国土交通軸(高速道路、高速鉄道=時速270kmと想定)の整備の意義を経済的な観点から明らかにすることを目的として、地域間の道路貨物、鉄道旅客の流動量の予測及びその増加による経済効果の計測を試みました(平成8年度『太平洋新国土軸交通システム調査』)。その結果のポイントは次のとおりです。

 地域間の流動量の変化
 道路貨物については大都市を抱える地域間の伸び(近畿〜東海間約39%増など)が、鉄道旅客については四国に係る地域間の伸び(九州〜四国間約65%増など)が相対的に大きくなるものと予想されます。

 流動量の増加による経済効果
 太平洋新国土軸ルートの国土交通軸の整備により1年間に発生する便益は、道路貨物については約1,630億円、鉄道旅客については約4,500億円にのぼると予想されています。これを割引率を5%とし、毎年発生する便益の額が変化しないとしてストック換算すれば、道路は貨物分だけで(すなわち、貨物分に匹敵すると考えられる旅客分を含まないで)3兆円強に、鉄道は9兆円に達することになります。


鉄道の旅客輸送
  • 棒グラフの右( )内の数値は、2010年における太平洋新国土軸ルートの分担率(予測値)である(単位:%)。
  • 「近畿」は三重県を含まない。「東海」は三重、岐阜、愛知、静岡の4県、「北陸」は福井、石川、富山の3県、「関東以北」は関東甲信、東北(新潟県を含む)、北海道の合計。



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